「外国人だから」と断られる入居拒否問題
- naruhito morii

- 10月19日
- 読了時間: 3分
外国人が断られる入居拒否とは
「外国人の住まい探しには『見えない壁』が立ちはだかっている」ーー。
日本で暮らす外国人が増加している中、「外国人であること」を理由に部屋探しの際に入居を断られるというケースが後を絶たない。
そのような問題の解決の糸口を探るため、住宅大手の「オープンハウスグループ」と、外国人の住まい・就職・通信など暮らしを支えるサービスを展開する「グローバルトラストネットワークス(GTN)」が8月、外国人の住まい問題をめぐる啓発キャンペーンを実施すると発表した。
一方で、外国人が賃貸などの住まいを探す際に直面する問題はあまり可視化されていない。
啓発キャンペーンでは、外国人の日本での住まい探しの現状や困りごとについて、住まい探しの経験がある当事者にインタビュー。オープンハウスのウェブサイトにインタビュー記事を掲載し、「社会課題としての認知度を高めることを目指す」という。
どのようなハードルがあり、それをクリアするために誰がどんな努力をしているのかなどについて広く伝えることが狙い。
また、実態を把握するために、GTNとオープンハウスで連携して当事者にアンケート調査も行う。
キャンペーンは「外国籍人材の採用や海外展開を進めてきたオープンハウスグループと、創業以来、外国人専門の生活支援を行ってきたGTNが、日本社会の多文化共生に向けた課題意識を共有し、ともに立ち上げた」という。
GTNは、外国人専門の家賃債務保証・賃貸仲介・通信・金融・登録支援・人材紹介事業などを展開する企業。外国人の日本での暮らしを支えるサービスに注力している。同社の社員も多様で、社員の7割を、約20の国と地域の外国籍メンバーが占める。
大家らが言語の壁によるトラブル回避のために日本語に不慣れな外国人を敬遠しているのではなく、語学レベルに関わらず「外国人だから」との理由で一律入居を拒否している現状が浮き彫りになった。
賃貸のマンションなどを探す際、仲介業者で提示される物件の見取り図や概要が掲載された資料に「外国人お断り」や「外国人NG」などと書かれているケースも少なくない。
日本人と外国人の夫婦などの国際カップルの場合でも、1人でも外国人がいる場合は入居を断られることがある。
これまでにも不動産業界から、改善を呼びかける動き
家賃債務保証なども手掛けるGTNには、住まいに関する相談は多く、入居者と管理会社・業者間のさまざまな調整、ゴミ出しや生活音など生活習慣の違いに起因するトラブル対応など内容は様々という。
GTNは「こうした課題は、入居前後を問わず、多言語・多文化対応が求められる領域」だと指摘する。
その中でも、入居拒否問題を「日本社会の多文化共生に向けた」課題としてオープンハウスと連携してキャンペーンに乗り出した。
なぜ外国人入居拒否問題は起こっているのか、そして不動産業界側からはどのような働きかけをすれば状況を改善できるのか。問題の背景、そして具体的な改善案を探っていく必要がある。
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