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家賃債務保証、認定制度で要配慮者の入居を促進

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    3A
  • 12月8日
  • 読了時間: 4分

家賃債務保証、認定制度で要配慮者の入居を促進とは

国土交通省は2日、7回目となる「家賃債務保証業者会議」をオンライン形式で開催した。 


 冒頭、同省住宅局安心居住推進課課長の田中規倫氏が挨拶。「住宅確保要配慮者への居住支援はますます重要になっている。そうした中で、家賃債務保証業は入居のハードルを下げ、安心して住むことができる環境づくりに向けて重要な役割を担っている。居住サポート住宅の普及に向けても大切な位置付けとなっている」などと述べた。


 第一部では、同省同課課長補佐の岡田修司氏が「登録家賃債務保証業者制度」の現況について、登録事業者が2025年9月末時点で119者に達したと発表。登録制度に関する実態調査では、賃借人・賃貸人ともに登録制度を「知らない」割合が前年に引き続き高く、「内容をよく知っている」割合はいずれも10%に満たないことが分かった。また、住宅セーフティネット法の改正に伴い創設された「認定家賃債務保証業者制度」についても説明。住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国土交通大臣が認定するもので、居住サポート住宅に入居する要配慮者の家賃債務保証を正当な理由なく断らない、契約に関わる保証料が不当に高いものではない、などの基準が設けられている。(独)住宅金融支援機構の家賃債務保証保険により、認定家賃債務保証業者の要配慮者への保証リスクが低減され、保険割合は最大9割となる。


 続いて、(公財)日本賃貸住宅管理協会・あんしん居住研究会委員の伊部尚子氏が、「高齢者を安心して受け入れる知識と支援策」についての情報を提供。「賃貸管理会社やオーナーが、高齢者の入居受け入れに不安を感じている点は4つ」とし、(1)入居中の滞納、(2)賃貸借契約の解除、荷物処分、(3)事故物件化問題、特殊清掃代の負担、(4)認知症や生活上の問題への対応を挙げ、住宅セーフティネット法の改正に伴う対応策を示した。 (1)の解決策として「認定家賃債務保証業者」による対応を、(2)については終身建物賃貸借契約の認可手続きが簡素化されたこと、居住支援法人の業務に「残置物処理」が追加されたことを挙げた。(3)では、月に1回以上、訪問その他の方法により心身および生活の状況把握を行なう「居住サポート住宅」の創設、(4)でも生活・心身の状況が不安定化した際の福祉サービスへのつなぎを行なう同住宅の創設が解決策となるとした。


 第二部は田中氏をコーディネーターとしてパネルディスカッションを実施。家賃債務保証事業者として(株)Casa、ジェイリース(株)、日本賃貸保証(株)(JID)の代表者が登壇し、居住支援に関する各社の取り組みを紹介した。


 Casaでは、生活保護受給者・求職者・年金生活者が契約の約16%を占めており、全契約の8%が外国籍となっている。そうした中で、生活支援対象者に対しては入居者相談室の設置や公的支援制度のサポートなどを実施するなど、入居者に寄り添ったサービスを提供している。 またジェイリースでは、セーフティネット住宅を対象とした住宅確保要配慮者向けのプランや、サービス付き高齢者向け住宅専用プランを25年に開始。さらに、今後はすべての物件を対象とした新サービスもリリースを計画していること明らかにした。その上で、居住支援に関する地域格差があることや、住宅確保要配慮者を受け入れられる物件のストック積み上げが課題だとした。 日本初の賃貸保証サービスを1995年に開始したJIDは、過去30年を振り返りながら賃貸保証サービス内容を説明すると共に永代供養墓の整備やペットの引き取り、住居支援、職業訓練など、賃貸保証の枠を超えた取り組みについても紹介した。


 その上で、これらの取り組みが社会貢献としてだけでなくビジネスとして継続するためのポイントについて意見交換。登壇者からは、「保証会社がリスクを回避できる仕組みがないと継続できないのでは。保証会社、不動産会社、行政が上手く連携して負担を分散しないといけない」「官民一体となって、各主体が連携を深めることで事業の継続性と社会課題の両立を図れるのでは」などの声が挙がった。 不動産会社と家賃債務保証会社とがどのような連携ができるかについて問われると、「わずかな保証料でものすごく大きなリスクを負っているということを理解していただければ」「要配慮者と部屋探しの段階で対面するのは不動産会社。審査の段階では正確に情報共有をしていただきたい」などといった意見が交わされた。

 
 
 

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